【大人も震える】ちょうつがいきいきいラストの謎を徹底考察!ネタバレあり三輪車の女の子は何者なのか?

出典:岩崎書店「怪談えほん特設サイト」
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『ちょうつがい きいきい』は、怪談えほんシリーズの第一弾5冊目にあたる作品で、シリーズの中でも特に怖い部類に入ると作品です。日常に潜む「音」を題材に、不気味で深い恐怖を描いたこの絵本は、ただ読むだけでは味わい尽くせない、読者に考察を促す奥深い物語が魅力です。

扉の蝶番がきしむ音や椅子の軋む音が実は「おばけの悲鳴」だったら?そんな発想を軸に、現実と非現実が交錯する世界が広がります。

この記事では、この作品のあらすじ、絵や作者の魅力、そしてラストのネタバレや考察までを、じっくり解説していきます。シリーズファンのみならず、初めて怪談絵本に触れる方にもおすすめの一冊です!
この記事はこんな人にオススメ
  • 「ちょうつがい きいきい」のあらすじ・内容を知りたい人
  • 作者:加門七海さん、絵:軽部武宏さんについて知りたい人
  • 怪談えほんシリーズについて知りたい人
  • 怖さの理由を知りたい人
  • 三輪車の女の子は誰?ネタバレ・考察について知りたい人
  • 口コミや試し読みについて知りたい人
目次

ちょうつがい きいきいのあらすじ・内容

出典:岩崎書店「怪談えほん特設サイト」
『ちょうつがい きいきい』は、何気ない日常に潜む恐怖を描いた怪談えほんシリーズの1冊です。

物語の主人公は、「きいきい」と音がする部屋の扉の蝶番におばけがはさまっているのを見つけます。「きいきい」という音はこのおばけたちの「いたい いたい」という叫び声だったのです。

家の中や外のあちこちで聞こえる「きいきい」という音が気になり出す少年。扉の蝶番、兄が座る椅子、知らない女の子が乗るブランコ——「きいきい」は色々なところから聞こえ、彼の日常は恐怖に包まれていきます。

ラストでは、少年が恐怖に駆られて家から飛び出し、極限の恐怖に包まれたまま物語は幕を閉じます。この結末は全てを明確に語らないため、読者は不安や緊張感の余韻を感じながら、自分なりの解釈を加える楽しみを見つけられるようになっています。曖昧さを残すことで、物語の深みが一層引き立てられています。

『ちょうつがい きいきい』は、ただ読むだけではなく、物語の背景や音の意味について考えさせられる、深い読後感を残す絵本です。シリーズの中でも特に考察が必要とされる一冊と言えるでしょう。

蝶番(ちょうつがい)とは

子どもにとってはもちろん、大人にとってもあまり耳馴染みのない「蝶番(ちょうつがい)」とは、扉や窓などの可動部分を動かすための金具です。普段は意識することの少ないこの蝶番を恐怖の対象として描き出した加門七海さんの発想と表現力は、まさに見事と言えるでしょう。

音が出るのは摩擦や老朽化が原因で、普段は気に留めることのない「きいきい」という金属音。この絵本では、その音を「おばけの悲鳴」として描き出しています。日常の中で当たり前に存在する蝶番に不気味さを感じさせ、そこから恐怖の世界観を作り出している点が、この作品の大きな魅力です。身近なものを新たな視点で描くことで、読者に日常を見つめ直させる力を持った一冊となっています。

作者:加門七海について

『ちょうつがい きいきい』の作者である加門七海さんは、ホラーや怪談を多く手掛ける作家です。単なる「怖さ」を超え、「なぜ怖いのか」「その怖さの意味とは何か」を読者に考えさせる深みがあり、多くのファンを魅了し続けています。

代表作には、ホラー小説『祝山』や『203号室』があり、いずれも加門さんならではのじわじわと恐怖が染み込むような描写が魅力です。また、オカルトや民俗学、文化的背景を織り込んだ彼女の作品は、読者に物語以上の広がりを感じさせるのも特徴です。

加門さんは怖い絵本が少ないことについて、「怖いものや危険なものを排除すれば良い子に育つと考える親が多いが、本当はそうではないと感じている人も少なくない」と語ります。彼女は、恐怖の中に潜むカタルシスを通じて、子どもたちが心を解放し、新たな気づきを得るきっかけになればと考えています。

このように、加門七海さんは豊かな知識と独自の視点を活かし、読者に新たな恐怖体験を提示し続けています。その作品は、ただ怖がらせるだけでなく、その先にある感動や学びをもたらす、稀有な存在として多くの人々に愛されています。

※参考:「ちょうつがい きいきい特設サイト」加門七海先生×軽部武宏先生スペシャル対談より

絵:軽部武宏について

『ちょうつがい きいきい』のイラストを手がけた軽部武宏さんは、絵本やイラストの分野で活躍するアーティストで、その独特な画風が多くの作品で高い評価を受けています。怖い絵本好きの方でしたら、軽部さんの作品をいくつも見ているのではないでしょうか。

軽部さんの作風は昭和レトロな雰囲気を醸し出す作品が多く、シンプルながらも不気味さや異質感を巧みに描き出し、物語の世界観を深める力を持っています。暗い色調や影の使い方が際立っており、特に怪談やホラーを題材とした作品では、読者に緊張感を与えながらも、その不気味さの中にどこか引き込まれるような魅力を感じさせます。

軽部さんの描くキャラクターや背景は、明確に形を表現しない部分が多く、曖昧さを意図的に残すことで、読者の想像力を掻き立てる力を持っています。本作『ちょうつがい きいきい』でも、その技法が存分に発揮されています。蝶番にはさまっているおばけよりもむしろ、少年が住む町全体の不気味な雰囲気や意味深な描写が際立っています。家や街並みに漂うどこか異質な空気感や、普段は目に留めない日常の細部が、ページをめくるたびに新たな発見をもたらしぞっとします。

何歳から読める?対象年齢

『ちょうつがい きいきい』の対象年齢は、主に小学校低学年から中学年を想定していますが、4歳以上の幼児から大人まで幅広い年齢層で楽しめます。低学年の子どもには「少し怖いけれど興味をそそる」内容として、また高学年や大人には曖昧な表現や深い考察を楽しめる作品です。読み聞かせの工夫次第で、怖さを調整しながら多様な楽しみ方ができる柔軟な絵本です。

怪談えほんシリーズとは?シリーズ企画監修は東雅夫さん

出典:崎書店 怪談えほん特設ページ

幼いころから怪談に親しむことによって、子どもたちは豊かな想像力を養い、想定外の事態に直面しても平静さを保てる強い心を育み、さらには命の尊さや他者を傷つけることの怖ろしさといった、人として大切なことのイロハを自然に身につけてゆくのです。

シリーズ企画監修/文芸評論家 東雅夫さん
本作「いるのいないの」は怪談えほんシリーズの第一弾として発売されました。怪談えほんシリーズは、子どもたちに恐怖を感じさせるだけでなく、そこから得られる学びや成長の機会を提供してくれます。東雅夫氏の監修のもと、幼いころから怪談に親しむことで、子どもたちは想像力を豊かにし、予測不能な状況にも冷静に対応できる強さや、命の尊さ、他者への思いやりを自然と身につけることができます。

また、怪談えほんシリーズに参加する作家や画家たちは、日本を代表する芸術家であり、それぞれが独自の感性を注ぎ込んでいます。物語の怖さを際立たせると同時に、その背後に潜む深いテーマを巧みに描き出す点が、シリーズの特長です。宮部みゆき、京極夏彦、恩田陸、夢枕獏といった多彩な作家陣が紡ぎ出すストーリーは、恐怖と同時に考えさせられる深みを併せ持ちます。

一方、町田尚子や伊藤潤二・軽部武宏らが手がける絵は、物語の世界観をさらに奥行きのあるものにし、読者の心に強く訴えかけます。こうして、シリーズ全体が子どもから大人まで幅広い読者に向けて、感情を揺さぶる特別な体験を提供している点が、この絵本シリーズの最大の魅力です。
サキ研究員

日本を代表する芸術家の作品に幼いころから触れることによって、大きくなって小説を読んだり日本文化を学んだりするきっかけになるかもしれません。

シリーズ発売日タイトル作者
第一弾2011年10月31日悪い本宮部みゆき吉田尚令
2011年10月31日マイマイとナイナイ皆川博子宇野亜喜良
2012年2月10日いるの いないの京極夏彦町田尚子
2012年2月29日ゆうれいのまち恒川光太郎大畑いくの
2012年3月15日ちょうつがい きいきい加門七海軽部武宏
第二弾2014年7月31日かがみのなか恩田 陸樋口佳絵
2014年8月31日おんなのしろいあし岩井志麻子寺門孝之
2015年9月30日くうきにんげん綾辻行人牧野千穂
2015年5月31日はこ小野不由美nakaban
第三弾2019年7月31日まどのそと佐野 史郎ハダタカヒト
2020年1月31日おろしてください有栖川有栖市川友章
2021年1月31日いただきます。ごちそうさま。あさのあつこ加藤休ミ
20215年月31日おめん夢枕獏辻󠄀川奈美
怪談えほん
コンテスト
2024年2月29日こっちをみてる。となりそうしち伊藤潤二

【ネタバレ】子どもに読ませても大丈夫?怖い理由を解説

出典:岩崎書店「怪談えほん特設サイト」

日常生活に潜む不気味さ

『ちょうつがい きいきい』が描く恐怖の本質は、日常生活の中に潜む「不気味さ」を巧みに取り上げている点にあります。この絵本では、普段何気なく目にしたり耳にしたりするものが、一転して恐怖の対象として描かれます。

物語のテーマである「蝶番」に焦点を当てると、これはどこの家にもある、ごく普通の扉の金具です。普段は意識されることのない存在ですが、この絵本では、その蝶番が軋む「きいきい」という音が、おばけの悲鳴であるという設定が加えられることで、一気に恐怖の対象となります。この設定により、読者は自分の家や身の回りにある蝶番や、「何となく嫌な音だな」と思っていた金属音が「おばけ」と結びついている可能性を想像してしまい、日常そのものが不安の源に変わります

物語では蝶番だけでなく、日常に存在する他の要素も恐怖の対象として描かれています。自転車やブランコ、車といった生活に密接したものにまでおばけが潜んでいるという設定は、子どもから大人まで、誰もが身近に感じる物事への見方を一変させます。特に、普段は「便利なもの」「遊び道具」として認識されるものが、突然不気味な存在として立ち現れることで、読者の心に強烈な違和感を残します。

このように、『ちょうつがい きいきい』では、日常の中に潜む不気味さが徹底的に描かれています。それは、「見慣れたものに潜む異質な存在」という根源的な恐怖を刺激し、読者に「普段何気なく接しているものにも異変が隠れているかもしれない」と思わせる力を持っています。この感覚は、物語を読み終えた後も読者の心に残り、日常の風景や音が以前とは異なって感じられるようになるほどです。

不条理に起こる恐怖

怖い話は多くの場合、遊び半分で肝試しをして罰が当たったり、意地悪をした子どもが恐怖体験をするなど、何かしらの報復として恐怖を味わう主人公が描かれることが多いです。しかし、『ちょうつがい きいきい』の主人公は違います。ただ普通に日常生活を送っていただけの少年が、理不尽な恐怖に直面するのです。

蝶番に挟まって「いたいいたい」と叫んでいるおばけを、主人公が「大変だ」と言って助けようしている。悪さをしているどころか、むしろ優しさを見せているにもかかわらず、最後には発狂してしまうという結末は、読者に深い恐怖を与えます。不条理な結末を迎えるという展開は、「誰にでも起こり得るかもしれない」という普遍的な恐怖を描いているのです。

このように、『ちょうつがい きいきい』の怖さは、特別な行動を起こさなくても、何の予兆もなく日常生活に潜む恐怖が突然襲いかかるという点にあります。これは、読者に「自分も同じ目に遭うかもしれない」と感じさせる普遍的な恐怖を生み出し、物語をより強烈なものにしています。主人公が無実であること、そしてその優しさすら救いにはならないという展開が、この絵本の怖さを際立たせているのです。

ずっとついてくる不気味な女の子

物語の中で主人公の少年にずっとついてくる三輪車の女の子の存在は、読者に強烈な不安感を与えます。物語の冒頭では、彼女が家の中に当たり前のようにいるため、一瞬「妹なのかもしれない」と思わせます。しかし、主人公が「お兄ちゃん」に助けを求める場面でも、彼女には一切触れられないことから、その正体は不明瞭なままです。特に、彼女が身に着けている真っ赤な椿のピン止めが印象的で、この小道具が彼女の不気味さを一層際立たせています。

椿の花はその散り方に特徴があり、花びらが一枚ずつ落ちるのではなく、花全体が「首から落ちる」ようにボトッと落ちます。この特徴から、古くは「人の首が落ちる姿」と重ねられ、不吉の象徴と言われることもありました。物語では、椿の花が象徴的に描かれており、表紙には落ちた椿の花が登場します。このことから、女の子自身や、物語の中で描かれる出来事が、何らかの不吉な運命を暗示している可能性がうかがえます。

この女の子が生きた人間なのか、それともおばけや死神のような存在なのかは、最後まで明らかにされません。その曖昧さこそが、彼女の不気味さを際立たせる大きな要因となっています。単なる追尾者ではなく、彼女は少年の運命や恐怖そのものを象徴しているようにも思えます。また、彼女が乗っている三輪車というモチーフは、無邪気さと不気味さを同時に抱えた象徴として、強烈な印象を読者に残します。

ちょうつがい きいきいはラストの不明瞭さも恐怖

『ちょうつがい きいきい』の怖さをさらに際立たせているのが、その結末が明確に描かれていない点です。物語のラストで主人公の少年は極限の恐怖に駆られて家から飛び出しますが、物語のラスト、彼に何が起きたのかは明らかにされていません。

少年は車にひかれて命を落としてしまったのか、それとも恐怖のあまり精神が壊れてしまったのか。さらに、そもそも彼が見ていた世界そのものが現実なのかさえ定かではありません。この曖昧さが読者にさらなる想像の余地を与え、不安感を大きく膨らませます。

結末が語られないことで、読者は物語を読み終えた後も「一体何が起こったのか」を考え続けることになります。この不明瞭さが恐怖の余韻を長引かせ、日常生活の中でふとした瞬間に物語を思い出させるほどの深い印象を与えるのです。このような「答えのない恐怖」が、『ちょうつがい きいきい』の最大の魅力であり、他の絵本とは一線を画す特徴と言えます。

口コミ&評判

『ちょうつがい きいきい』は、「最恐絵本」として名前を挙げる方が多く、子どもよりもむしろ大人に強い印象を残している作品です。夜中に聞こえる時計のチクタク音が耳に残るように、この絵本で描かれる「きいきい」という金属音も、読者の心に不快感と共に深く刻まれます。

物語は多くの謎を残したまま結末を迎えるため、読後の考察が非常に盛り上がる一冊となっています。その曖昧さが対話のきっかけを生み、読んだ者同士で意見を交わし合う楽しさも魅力の一つです。
https://twitter.com/yuki_ehon_/status/1248504850502914050

ちょうつがい きいきいは無料で試し読みできる?

『ちょうつがい きいきい』はAmazonにてサンプルページの試し読みが可能です。ちょうつがい きいきいのイラストの雰囲気や怖さをチェックすることができるので、お子さんにあっているかどうかを確認頂いてからの購入をおすすめします。

また、公式サイトでは怪談えほんの特設ページも用意されており、絵本の内の数ページを確認することも可能です。他シリーズの雰囲気を閲覧することもできますので、是非チェックしてみてください。

【ネタバレ】研究員の独自解釈&考察!最後の結末はどういう意味?

サキ研究員

ここからは絵本研究員サキの「独自解釈」となります。
自由に語っていきますので、ご容赦ください。

『ちょうつがい きいきい』は、怖い絵本好きのわが子が「怪談えほんシリーズの中でNo.1」と言うほど子どもにも人気の一冊です。心に深く刻まれる怖さは、シリーズの中でも特に印象的で、怖がりのお子さんには注意が必要なほど。軽部武宏さんが描くイラストのインパクトは絶大で、最後に登場する赤くぬれたページは大人でも思わずぞっとする恐怖を感じさせます。

物語は、日常生活の中に潜むものや音に焦点を当てています。扉の蝶番におばけが挟まり、「いたいいたい」と泣いている描写があり、これが不思議な感情を呼び起こします。たとえおばけであっても、「いたいいたい」と泣いていれば助けたいと感じるものの、結局助けられないことで読後に何とも言えない後味の悪さを残します。この感情の揺さぶりこそが、『ちょうつがい きいきい』の大きな魅力の一つです。

また、この絵本は余白の多い物語であり、考察のしがいがあります。随所に現れる三輪車の女の子の正体については、我が家でも議論が白熱しました。私たちの結論としては、彼女は「死神」なのではないかというものです。

男の子の背中にくっきりと残る手形や彼女の髪飾りでもある椿の花が床に落ちている描写、まるで「男の子という獲物」を捕まえたかのようにうさぎのぬいぐるみの耳を持って階段を下りていく様は絵本の中でも異色を放っています。絵本の最後に三輪車をこぐ彼女の後ろ姿だけが描かれ、物語が終わるという演出は、彼女が単なる脇役ではなく、物語全体に深く関わる存在であることを示唆しています。

『ちょうつがい きいきい』は、考察のしがいがあるとはいえ、他の怪談えほんシリーズ『悪い本』や『くうきにんげん』のような抽象的な表現が少ないため、単純におばけに遭遇する怖さや男の子の運命を案じる怖さが物語の中心となっています。そのため、子どもたちにも分かりやすく、なおかつ深い印象を残す作品として愛されています

作品に必ずしも「教訓」が必要というわけではありませんが、この物語に登場する蝶番や椅子の可動部分、車の下といった描写は、子どもにとって本来危険な場所です。そこに「怖さ」の意味を持たせることで、子どもたちに「安易にそのような場所で遊ばない」「道路に飛び出すと危険」といった注意喚起のメッセージが込められているようにも感じられます

たった32ページという短い物語ながら、ここまで読者の心を揺さぶり、考えさせる絵本は稀有な存在です。『ちょうつがい きいきい』は、その魅力を存分に味わえる一冊となっています。まだ読んだことがない方は、ぜひ手に取ってみてください。読み終えた後、自分なりの解釈を持ちながら、この物語の奥深さに浸ってみてはいかがでしょうか。

【大人も震える】ちょうつがいきいきいラストの謎を徹底考察!三輪車の女の子は何者なのか?の総括

『ちょうつがい きいきい』は、絵本の枠を超えた恐怖と深い余韻を残す作品として、多くの読者を魅了しています。その特徴は、普段は意識しない日常の中に潜む「音」や「場所」に恐怖の意味を持たせている点です。蝶番や椅子の可動部、車の下といった描写が、物語を読み解く鍵となり、単なる怪談絵本以上の深みを持っています。

物語のラストが明確に語られないことで、読者の想像力を刺激し、読み終えた後も考察を楽しめる一冊となっています。三輪車の女の子や背中に残る手形、床に落ちる椿の花といった謎めいた要素が、読者同士で議論を呼び起こし、この絵本をさらに特別なものにしています。

まだ手に取っていない方には、ぜひ読んでみてほしい一冊です。この絵本の中に潜む恐怖の真髄を、自分なりの視点で解き明かしてみてはいかがでしょうか。
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