【温かい死生観】大森元貴が描く「メメント・モリ」のあらすじから重版の理由まで徹底考察!

出典:株式会社KADOKAWA
  • URLをコピーしました!

※こちらの記事は広告を利用しています

絵本『メメント・モリ』は、人気ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)」のボーカル・大森元貴氏が手掛けた作品です。音楽活動で多くのファンを魅了してきた大森氏が、言葉と絵を通じて新たに表現した「いのち」の物語は、世代を超えて多くの人々に共感と感動を与えています。

「メメントモリ」という言葉には、「死を意識し、生を大切にする」という深い意味が込められており、この絵本は日常の中で忘れがちな“今”を生きることの大切さを教えてくれる一冊です。

重版されるほどの人気を誇る本作について、本記事ではその魅力や背景、口コミ、考察までを詳しくお届けします。
この記事はこんな人にオススメ
  • 「メメント・モリ」のあらすじ・内容を知りたい人
  • 作者:大森元貴さん、絵:大谷たらふさんについて知りたい人
  • 物語の解説が聞きたい人
  • 死生観がテーマの作品を知りたい人
  • 口コミや試し読みついて知りたい人
  • メメント・モリの朗読劇について知りたい人
目次

メメント・モリのあらすじ・内容

出典:株式会社KADOKAWA
絵本『メメント・モリ』は、Mrs. GREEN APPLEが2020年に“フェーズ1”の完結を宣言して活動休止に入った後、Vo.大森元貴さんがソロプロジェクトとして制作した作品です。2021年2月にリリースされたデジタルEP『French』に収録されている「メメント・モリ」の楽曲がきっかけとなり、その世界観が絵本化されました。

本作では、死というテーマに優しく寄り添い、その先には温かい世界が広がっていることを描き出しています。イラストレーター・大谷たらふ氏とのコラボによるリリックビデオの映像美がそのまま絵本の形になり、大森氏の独自の死生観が立体的に表現されています。子供から大人まで、幅広い層に向けたメッセージ性の高い作品です。

絵本では、既に亡くなった祖父母や飼い猫が「今どこで何をしているのか」という問いと、自分自身の「死」と向き合うことが物語の軸として描かれています。亡くなった存在はどこへ行くのか、生きている私たちとのつながりはどうなるのかといった普遍的なテーマが、静かでありながら深いメッセージ性を持って進んでいきます。

この問いかけは、ただ悲しみや恐怖を煽るのではなく、命の終わりを受け入れることで生きることの意味や価値を見つめ直すよう促す内容になっています。絵本全体を通して、生と死の連続性や「記憶に残ること」の大切さが、優しく語りかけられている点が印象的です。

作者:大森元貴について

大森元貴氏は、音楽グループ「Mrs. GREEN APPLE」のボーカル・ギタリスト、コンポーザーとして活躍する音楽家です。音楽を通じて、人生の意義や人の感情に対する深い問題意識を描くことで知られており、この絵本『メメントモリ』は、彼のソロデビュー作:デジタルEP「French」の収録曲でもあります。

難しいことはよくわからないけど、死というものが別れなのかはじまりなのか、漠然とした恐怖や不安ではなく、なにか温かいものとして感じられるといいなと思い、生まれ、そして絵本になりました。

引用:メメント・モリ朗読劇公式HP「大森元貴さんからのコメント」より
絵本『メメント・モリ』は、大森さんの死生観や人生観が反映された作品であり、音楽活動の延長線上にある表現の一つとも言えるでしょう。楽曲「メメント・モリ」と絵本を通じて、彼の持つ「生と死」に対する深い洞察と優しさを感じることができます。

Mrs. GREEN APPLEとは

出典:Mrs.GREEN APPLE 公式HP
Mrs. GREEN APPLEは、2013年に結成された日本のロックバンドです。Vo.大森元貴さんを中心に、幅広い音楽性と独創的なアートワークを武器に活動してきました。バンドの楽曲は、日常の喜びや葛藤、苦しみをリアルに描いた歌詞とキャッチーなメロディが特徴で、世代を超えて多くのリスナーに愛されています。

2020年には「フェーズ1」の完結とともに活動休止を発表しましたが、その後も大森氏のソロ活動を通じて、楽曲のメッセージは多くの人々に届けられました。そして2022年、バンドは新体制で再始動を果たし、さらなる進化を遂げながら精力的に活動を続けています。

絵:大谷たらふさん

絵本『メメント・モリ』のイラストを担当した大谷たらふさんは、映像作家・アニメーター・イラストレーターとして活躍されています。NHKの音楽番組「みんなのうた」、「おかあさんといっしょ」などのアニメーションを制作。柔らかく温かみのある画風が特徴で、シンプルな中にも深みがあり、見る者の感情にそっと寄り添うような作品を描かれています。

本作『メメント・モリ』でも、大谷氏の絵は物語の重要な要素として機能しています。特に「死」というテーマは重く捉えられがちですが、大谷氏の描くイラストはどこか優しく、柔らかな色合いと穏やかな線が、死の先にある「希望」や「温かさ」を感じさせます。登場するキャラクターや背景には、シンプルながらも感情の揺らぎや自然との一体感が繊細に表現されており、読者は視覚的にも癒しや安らぎを得ることができます。

大森元貴氏の音楽的な死生観を大谷たらふ氏の絵が見事に引き立てており、絵本を読み進める中で物語と音楽が一体となったかのような印象を受けるでしょう。
このコラボレーションによって、『メメント・モリ』は単なる絵本を超えた、深いテーマを持つ芸術作品として完成しています。

【ネタバレあり】メメント・モリを徹底紹介

出典:株式会社KADOKAWA
メメント・モリを徹底紹介
  • メメントモリとは?
  • メメントモリや死生観がテーマの作品はたくさんある
  • 【ネタバレあり】メメント・モリの伝えたいこととは?

メメントモリとは?

「メメントモリ(Memento Mori)」はラテン語で「自分が必ず死ぬことを忘れるな」という意味です。この言葉は古代ローマ時代から存在し、死を意識することで現在を大切に生きるという教訓として受け継がれています。もともとはこの後に「カルペ・ディエム(Carpe Diem)」という言葉が続いており、こちらは「その日一日の花を摘め、今を生きよ」という意味です。

この二つの言葉は、「死を意識する(メメントモリ)」ことで「今を大切に生きる(カルペ・ディエム)」という人生観が謳われています。どちらも現代において深い哲学的メッセージを持ち、様々な芸術作品や文学、音楽に影響を与えてきました。

メメントモリや死生観がテーマの作品はたくさんある

メメントモリや死生観がテーマの作品
  • 映画『リメンバー・ミー』
  • 映画『おくりびと』
  • 漫画『寄生獣』岩明均
  • 音楽『帰ろう』藤井風
  • 絵本『くまとやまねこ』湯本 香樹実/酒井 駒子

映画『リメンバー・ミー』(2017年)

ディズニー・ピクサー制作の『リメンバー・ミー』は、メキシコの「死者の日」を題材にした作品です。物語の主人公ミゲルは、音楽を愛する少年。しかし家族の事情で音楽が禁じられており、夢を追う彼は先祖の霊が集う“死者の国”へ迷い込んでしまいます。そこでミゲルは、先祖たちと出会いながら、家族の絆や「忘れないこと」の大切さを学びます。

本作は、死を恐れるものではなく、愛する人を思い続けることで、亡くなった人々が心の中で生き続けるというメッセージを伝えています。美しい映像と感動的な音楽が織りなす物語は、子供から大人まで心に響く名作です。主題歌「リメンバー・ミー」もまた、作品のテーマを象徴する楽曲として広く愛されています。

映画『おくりびと』(2008年)

映画『おくりびと』は、納棺師という職業を通して「死」と向き合う人々の姿を描いた感動作です。主人公は失業をきっかけに納棺師となり、初めは抵抗を感じながらも、死者を弔い遺族の心に寄り添うことで、その仕事に誇りと使命感を見出していきます。

映画は「死」を重苦しく扱うのではなく、穏やかで美しい儀式として描き、生と死のつながり、そして命の尊さを静かに訴えかけます。故人を見送ることで生者が前を向いて生きる力を得る――そんな深いメッセージが心に残る作品です。

漫画『寄生獣』岩明均

漫画『寄生獣』は、人間に寄生し肉体を支配する異形の生物との戦いを通じて「生と死の意味」を問いかける作品です。主人公・新一は寄生生物ミギーと共生することで、人間とは何か、命の価値とは何かを考えるようになります。

人間と寄生生物、それぞれが生きるために戦う姿を描きつつ、「共存」「生きる意味」といったテーマが浮かび上がります。バイオレンスと哲学的要素が融合し、読後には生命の儚さや尊さに対する新たな視点が残る名作です。
サキ研究員

オールタイムベストに入るほど大好きな作品です。

音楽『帰ろう』藤井風

今を時めく藤井風さんの楽曲『帰ろう』は、1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』に収録された、人生の終わりと再生をテーマにした壮大なバラードです。死を恐れるのではなく、自然の一部として穏やかに「帰る」ことへの受容が、美しい歌詞とメロディで描かれています。

藤井風さんの作品には、どことなく死生観を感じさせるものが多く、命の儚さや輪廻、生きる意味について考えさせられる歌詞が特徴です。『帰ろう』もまた、「すべてが一つに還る」という彼独自の死生観が静かに、そして力強く表現されています。

死を受け入れることで「今をどう生きるか」という視点が生まれ、人に優しくできる——まさに“メメント・モリ”を体現する楽曲が多いのも、藤井風さんの魅力です。

絵本「くまとやまねこ」

『くまとやまねこ』は、最愛の友であることりを失ったくまが、悲しみを抱えながら再生していく物語です。森の仲間たちから「忘れることが大切」と声をかけられても、喪失感に苦しむくまの心になかなか届きません。しかし、やまねことの出会いをきっかけに、共感や音楽の力で少しずつ心が癒されていきます。

目黒蓮さん主演の月9ドラマ「海のはじまり」でも取り上げられ話題となった作品です。喪失と再生という普遍的なテーマを描き、子どもから大人まで心に響く一冊として、多くの読者に愛されています。

【ネタバレあり】絵本『メメント・モリ』の伝えたいこととは?

絵本『メメント・モリ』は、亡くなった祖父母と飼い猫が「今どこで何をしているのか」という問いと、自分自身の「死」とどう向き合うかという二つのテーマを軸に物語が進んでいきます。

主人公は、いつか自分も旅立つ日が訪れるのかという問いに直面し、亡き祖父母と猫に会いに行く旅に出ます。「天国はあるのか」「祖父母たちは今どこにいるのか」という思いを抱えながら進むその旅は、主人公にとって未知の世界への扉でもあります。

旅の途中で主人公は眠りにつき、夢の中で祖父母たちと再会します。そこには、死者たちが幸せそうに過ごしている世界が広がっています。祖父母と猫は笑顔で踊りながら「私たちはいつでもあなたを見守っている」と語りかけ、温かく穏やかな世界で生きています。この描写は、死は恐れるものではなく、心の中でつながり続けると読者に教えてくれます

物語の後半では、主人公が自分自身の「死」について考え始めます。「死者にはいつでも会える、心の中にいつもいる」という気づきや、幸せの数を数えれば、やがてそれらを置いて旅立つときが来ることを自然に受け入れられるという心の変化が描かれます。「なんてことないのです」という印象的な一文は、死を過度に恐れるのではなく、命の流れの一部として穏やかに受け止める姿勢を象徴しています。

この絵本は、死別を悲しみの終着点として捉えるのではなく、亡くなった人たちは心の中に生き続け、いつでもつながることができるという希望を伝えています。死を意識することで、日々の一瞬一瞬を大切にしようという「メメント・モリ」のメッセージが、柔らかなイラストと優しい語り口で表現されています。読む者に「生きる意味」をそっと問いかける、深い感動を与える一冊です。

メメント・モリの口コミ&評判

絵本『メメント・モリ』は、その美しいイラストと深いテーマ性から多くの読者に支持されています。口コミでは、「死をテーマにしているのに温かく穏やかな気持ちになれる」「読み終わった後に“今”を大切にしようと思えた」といった声が目立ちます。

大森さんの優しい死生観を反映した言葉選びは秀逸であり、大谷たらふさんの柔らかなイラストと見事に融合することで、重いテーマでありながらも温かく心に響く作品に仕上がっています。

Mrs. GREEN APPLEのファンだけでなく、世代を超えて多くの人々に愛される本作は、重版が繰り返されるほどの高い人気を誇っています。

上白石萌音さんによる朗読劇が開催

出典:「メメント・モリ」朗読劇公式HP
2024年12月に開催された**上白石萌音の朗読劇『メメント・モリ』**は、大好評のうちに幕を閉じました。彼女の透明感のある声と圧倒的な表現力が、作品に込められた「死生観」や「命の尊さ」を観客一人ひとりの心に届け、会場は深い感動に包まれました。

上白石萌音さんの朗読は、静かでありながら力強く、まるで物語の世界が目の前に広がるかのような没入感を生み出したと評判です。SNS上でも大きな反響を呼びました。

この朗読劇の成功を受けて、東京以外での追加公演を望む声も多く聞かれています。現時点では追加公演の予定は発表されていませんが、これほどの反響を受ければ、今後の展開にも期待が高まります。作品の持つ普遍的なテーマと上白石萌音さんの卓越した表現力が融合した『メメント・モリ』は、世代を超えてさらなる広がりを見せることでしょう。
日程昼の部夜の部場所
2024年12月14日(土)開演:13:30開演:17:00ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールA
2024年12月15日(日)開演:12:00開演:16:00ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールA

メメント・モリは無料で試し読みできる?どこで売ってる?

『メメント・モリ』はAmazonにてサンプルページの試し読みが可能です。メメント・モリの雰囲気・お子さんが読む場合は文章の難易度をチェックすることができるので、確認頂いてからの購入をおすすめします。
『メメント・モリ』は現在、Amazonや楽天などの通販ショップで購入可能ですが、発売当初はその人気から売り切れが続出しました。重版が決定してからは安定して供給されていますが、ミセスグリーンアップルの再始動や朗読劇の大反響も相まって、再び完売する可能性があります。購入を検討されている方は、早めのご注文をおすすめします。

【温かい死生観】大森元貴が描く「メメント・モリ」のあらすじから重版の理由まで徹底考察!の総括

絵本『メメント・モリ』は、大森元貴さんが描く深い死生観と、イラストレーター大谷たらふさんの柔らかな絵が見事に融合した作品です。「死」という重いテーマを扱いながらも、穏やかで温かみのある物語が、読者に「生きることの意味」を問いかけます。

重版されるほどの人気を誇る本作は、Mrs. GREEN APPLEのファンだけでなく、世代を超えた幅広い層に支持されています。亡くなった存在への想いや、日々を大切に生きることの大切さを優しく語りかける内容は、子どもから大人まで心に深く響きます。

この絵本は、死を恐れるのではなく、命の流れの一部として自然に受け入れる姿勢を教えてくれる一冊です。生と死の連続性を感じながら、今この瞬間をどう生きるかを改めて考えるきっかけを与えてくれます。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次