『悪い本』は、「怪談えほんシリーズ」の記念すべき一作目として、多くの読者に深い印象を与える絵本です。宮部みゆきさんが紡ぐ、どこか禍々しさを漂わせる物語と、吉田尚令さんが描く美しくも不気味な絵が融合し、単なる子ども向けの枠を超えた、強烈な恐怖と不安感を持つ一冊に仕上がっています。その内容は、大人でさえゾッとするような「おどろおどろしい」世界観に満ちています。
本記事では、『悪い本』のあらすじや作者の背景、挿絵の魅力、そして物語が読者に与える影響を詳しく解説します。また、無料で試し読みをする方法や、シリーズ全体の特徴にも触れていきます。親子で楽しむのはもちろん、大人が一人で読んでも心に響く『悪い本』の魅力を徹底的にご紹介します。
サキ研究員
怖い絵本好きの子どもは、「怖い!」と言いながら何度も読み返すほど気に入っている作品です。
この記事はこんな人にオススメ
- 「悪い本」のあらすじ・内容を知りたい人
- 作者:宮部みゆきさん、絵:吉田尚令さんについて知りたい人
- 怪談えほんシリーズについて知りたい人
- 怖さの理由を知りたい人
- ネタバレ・考察について知りたい人
- 口コミや試し読みについて知りたい人
目次
悪い本のあらすじ・内容
「はじめまして わたしは 悪い本です」
引用:悪い本
この不気味な一文で始まる『悪い本』は、読者に向かって直接話しかける形で進行します。
物語全体が本自身の語りかけによって進行するという独特な構成をしています。本は自らを「悪い本」と名乗り、読む者に対して、この世の中で「いちばん悪いこと」を知っていると囁きます。そして、いまは「悪い本」を必要としていなくても、いつか誰かを嫌いになり、いなくなればいいと思う時がくるだろうと予言するのです。
その時に私を思い出してページをめくれば、どんな悪いことでも上手にできるようになると誘惑します。単なるホラーとしての怖さだけでなく、人間の心の中に潜む「悪い心」や、善悪の境界線に関する深いテーマを提示します。
読む者を強く惹きつけながらも、恐怖と不安を抱かせる内容で、子ども向け絵本という枠を超え、大人にとっても惹きつけられる一冊となっています。
作者:宮部みゆき
宮部みゆきさんは、1960年東京都生まれの作家で、法律事務所勤務を経て、1987年に『我らが隣人の犯罪』でデビューしました。以降、『火車』『模倣犯』などのベストセラーを発表し、直木賞や日本推理作家協会賞など数々の文学賞を受賞しています。その作品はミステリーからファンタジーまで多岐にわたり、幅広い読者層から支持を受けています。
『悪い本』の制作にあたり、宮部さんは「絵が付くこと」に大きな魅力を感じ、絵本制作への意欲を高めたと語っています。また、吉田さんの絵については、可愛らしさと怖さが同居している点に強く惹かれ、迷いなく依頼を決めたとのことです。この二人の才能が融合することで、『悪い本』は独特の世界観を持つ作品として完成しました。
※参考:岩崎書店「怪談えほん特設サイト」より
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絵:吉田尚令
吉田尚令さんは1971年大阪府生まれのイラストレーターで、書籍の装画や絵本の挿絵などで活躍しています。彼の作品は、繊細で温かみのあるタッチが特徴で、『パパのしごとはわるものです』や『ぼくのジィちゃん』など、多くの絵本でその才能を発揮しています。
今作では繊細でダークなタッチのイラストが、物語の世界観をさらに引き立てています。文字と絵の見事な融合が、『悪い本』を特別な存在にしています。
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怪談えほんシリーズとは?シリーズ企画監修は東雅夫さん
幼いころから怪談に親しむことによって、子どもたちは豊かな想像力を養い、想定外の事態に直面しても平静さを保てる強い心を育み、さらには命の尊さや他者を傷つけることの怖ろしさといった、人として大切なことのイロハを自然に身につけてゆくのです。
シリーズ企画監修/文芸評論家 東雅夫さん
本作「いるのいないの」は怪談えほんシリーズの第一弾として発売されました。怪談えほんシリーズは、子どもたちに恐怖を感じさせるだけでなく、そこから得られる学びや成長の機会を提供してくれます。東雅夫氏の監修のもと、幼いころから怪談に親しむことで、子どもたちは想像力を豊かにし、予測不能な状況にも冷静に対応できる強さや、命の尊さ、他者への思いやりを自然と身につけることができます。
また、怪談えほんシリーズに参加する作家や画家たちは、日本を代表する芸術家であり、それぞれが独自の感性を注ぎ込んでいます。物語の怖さを際立たせると同時に、その背後に潜む深いテーマを巧みに描き出す点が、シリーズの特長です。宮部みゆき、京極夏彦、恩田陸、夢枕獏といった多彩な作家陣が紡ぎ出すストーリーは、恐怖と同時に考えさせられる深みを併せ持ちます。
一方、町田尚子や伊藤潤二・軽部武宏らが手がける絵は、物語の世界観をさらに奥行きのあるものにし、読者の心に強く訴えかけます。こうして、シリーズ全体が子どもから大人まで幅広い読者に向けて、感情を揺さぶる特別な体験を提供している点が、この絵本シリーズの最大の魅力です。
日本を代表する芸術家の作品に幼いころから触れることによって、大きくなって小説を読んだり日本文化を学んだりするきっかけになるかもしれません。
シリーズ | 発売日 | タイトル | 作者 | 絵 |
第一弾 | 2011年10月31日 | 悪い本 | 宮部みゆき | 吉田尚令 |
2011年10月31日 | マイマイとナイナイ | 皆川博子 | 宇野亜喜良 | |
2012年2月10日 | いるの いないの | 京極夏彦 | 町田尚子 | |
2012年2月29日 | ゆうれいのまち | 恒川光太郎 | 大畑いくの | |
2012年3月15日 | ちょうつがい きいきい | 加門七海 | 軽部武宏 | |
第二弾 | 2014年7月31日 | かがみのなか | 恩田 陸 | 樋口佳絵 |
2014年8月31日 | おんなのしろいあし | 岩井志麻子 | 寺門孝之 | |
2015年9月30日 | くうきにんげん | 綾辻行人 | 牧野千穂 | |
2015年5月31日 | はこ | 小野不由美 | nakaban | |
第三弾 | 2019年7月31日 | まどのそと | 佐野 史郎 | ハダタカヒト |
2020年1月31日 | おろしてください | 有栖川有栖 | 市川友章 | |
2021年1月31日 | いただきます。ごちそうさま。 | あさのあつこ | 加藤休ミ | |
20215年月31日 | おめん | 夢枕獏 | 辻󠄀川奈美 | |
怪談えほん コンテスト | 2024年2月29日 | こっちをみてる。 | となりそうしち | 伊藤潤二 |
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子どもに読ませても大丈夫?悪い本は何故こんなに怖いのか?
『悪い本』は、一部の保護者から「子どもにとって怖すぎるのではないか」「だれかがいなくなればいいとおもいます、なんて読み聞かせたくなかった」という声も聞かれますが、この絵本が単なる恐怖を目的としていないことは確かです。むしろ、この恐怖感が「悪い心」とどう向き合うべきか、善悪とは何かを考えるきっかけとなっているのではないでしょうか。
『悪い本』が読者に与える怖さは、単なるホラーの域を超え、心理的にじわじわと迫ってくる独特の恐怖です。大人でさえ不安感を覚える本作が、なぜ「怖い」と評されるのか、その理由を紐解いていきます。
悪い本は何故怖いのか?
- 一番悪いこととは?得たいの知れない恐怖
- 第四の壁を越え、直接語り掛ける手法
- 本来可愛いはずのぬいぐるみや笑顔から感じる恐怖の絵
- 断定的な予言と人間の心に潜む悪
一番悪いこととは?得たいの知れない恐怖
『悪い本』の語り口は、一見シンプルながらも深い不気味さを漂わせます。「この世で一番悪いこと」を知っていると語るものの、その具体的な内容は明かされません。読者は、何が「一番悪いこと」なのかを想像せざるを得ず、その答えが明確に示されないことが、得体の知れない恐怖を生み出します。この曖昧さが、不安感を増幅させる大きな要因となっています。
『悪い本』が示唆する「この世で一番悪いこと」とは何なのか。物語の中では具体的な言及を避けつつも、暗にそれが「壊す」「消す」といった行為に繋がることを示しています。しかし、読者はその具体的なイメージを描ききれないため、自分の想像力の中でその「最悪」を補完することになります。このプロセスそのものが、非常に不安定で恐怖を感じさせます。
第四の壁を越え、直接語り掛ける手法
また、『悪い本』の最も特徴的な点は、「第四の壁を破って」読者に直接語り掛けてくるところです。
「第四の壁を破る」とは、物語の登場人物が観客や読者に直接語りかける演出のことです。本来、舞台や映画では観客と物語を隔てる「見えない壁」があると考えられていますが、それを意図的に壊すことで、視聴者を物語に巻き込んだり、フィクション性を意識させたりする効果を生み出します。この手法は没入感を高めたり、作品に対する批評的な視点を与えたりする際に用いられます。
「いつかあなたも私が必要になる」という囁きは、まるで読者自身が本の呪縛に捕らえられていくような錯覚を引き起こし、心理的な恐怖を増幅させます。
「第四の壁を破る」の代表作は、やはりミヒャエル・ハネケ監督の「ファニーゲーム」ではないでしょうか。「いち視聴者」という安全な立場を崩すことで、不快感を与える技法は本当に怖いです。
本来可愛いはずのぬいぐるみや笑顔から感じる恐怖の絵
吉田尚令さんが描く絵は、『悪い本』の不穏な雰囲気を支える重要な要素です。本来可愛らしいはずのぬいぐるみや笑顔が、不気味で異様な存在感を放ち、見る者に恐怖を感じさせます。どこにでもありそうな普通の人形がまるで生きているかのように迫り、無邪気な笑顔が逆に不安を煽る表現は秀逸で、物語全体に緊張感を与えています。
暗い色調や影の巧みな使い方も、視覚的に恐怖感を増幅させる重要な要素です。そのシンプルな描写は、余白を活かして読者の想像力を刺激し、子どもには直感的な怖さを、大人には心理的な深みを感じさせる仕上がりとなっています。吉田さんの絵は、恐怖と美しさが共存する独特な世界観を生み出し、『悪い本』の魅力をさらに高めています。
断定的な予言と人間の心に潜む悪
『悪い本』が語る「あなたには必ず嫌いな人ができる」「消えてほしいと思うときがくる」という断定的な予言は、単なる物語の一部にとどまらず、読者の心に深い不安感を植え付ける力を持っています。この言葉は、誰もが抱きうる負の感情に触れ、「自分もいつかこの状況に陥るかもしれない」と思わせるリアルな恐怖を生み出します。
さらに、この予言は現実に根ざした普遍的なテーマを扱っているため、フィクションとして片付けられない重みがあります。「嫌いな人ができる」「消えてほしいと思う」といった感情は、多くの人が人生の中で経験する可能性があるものです。この現実性が、物語を他人事ではなく自身の問題として捉えさせ、より一層の不穏さを与えます。
こうした断定的な言葉は、物語全体に漂う不気味さを象徴しており、読者の心の奥底に潜む「悪い心」を静かに揺さぶります。その結果、読者は単なる読み物としてではなく、自分の内面を見つめ直すきっかけとして、この絵本の持つメッセージ性を感じ取るのです。
口コミ&評判
『悪い本』は、その深いテーマと独特な怖さで多くの読者を魅了する一方で、評価が大きく分かれる作品です。「善悪や人間の内面について考えさせられる」「大人も楽しめる絵本」として支持されており、物語の余韻を文学的に楽しめる要素があります。
一方で、「子どもには怖すぎる」「刺激が強すぎて読ませられない」といった声も見られます。抽象的な表現が多いため、子どもにとっては内容の理解が難しいといった意見もあります。また、読み聞かせに適しているというよりは、子ども自身が手に取り、自由に感じ取る方が良いとの見解も挙げられています。全体として、大人には深く響くテーマを持つ一方で、子どもに読む際には慎重に扱うべき絵本といえるでしょう。
悪い本は無料で試し読みできる?
『悪い本』はAmazonにてサンプルページの試し読みが可能です。悪い本のイラストの雰囲気や怖さをチェックすることができるので、お子さんにあっているかどうかを確認頂いてからの購入をおすすめします。
また、公式サイトでは怪談えほんの特設ページも用意されており、絵本の内の数ページを確認することも可能です。他シリーズの雰囲気を閲覧することもできますので、是非チェックしてみてください。
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【ネタバレあり】研究員の独自感想&考察
ここからは絵本研究員サキの「独自感想」となります。
自由に語っていきますので、ご容赦ください。
数ある絵本の中でも、『悪い本』は特に「読者に解釈を委ねる絵本」として異彩を放つ存在ではないでしょうか。人が感じる「怖さ」とは、自分にとって分からないことや未知の出来事への不安感から生まれるものです。たとえば、おばけや幽霊といった超常的な存在への恐怖だけでなく、失敗するかもしれないプレゼンに対するプレッシャーや、いつ起こるかわからない巨大地震への不安感など、すべては未知なるものに対する反応といえます。
『悪い本』が持つ怖さの本質も、まさに「未知」そのものにあるのではないでしょうか。この絵本は明確な説明を避け、多くの要素を曖昧なままにしています。そのため、読者は「何が怖いのか」を一生懸命に考え、不安の正体を追い求めます。この「説明されない怖さ」がいかに強い影響を与えるのかを示した本作は、怖い話の本質を見事に捉えていると言えます。また、文字数が少ない絵本というフォーマットだからこそ、背景や原因が語られず、不安感を際立たせる効果が発揮されているようにも思えます。この余白が、読者に考えさせる余地を与え、「なぜ怖いのか」を探る姿勢こそが『悪い本』を味わう醍醐味なのです。
子どもには少々難易度が高い
私の小学生の子どもは怖い絵本や怖い話が大好きですが、『悪い本』については「意味が分からず怖くない」と話していました。この絵本の解釈は難しく、内容が抽象的であるため、読解力が十分でない子どもには恐怖の本質が伝わりにくいこともあるようです。私の子どもも本を読むのが苦手で、読解力がそれほど高くないため、物語の真意を汲み取るのは難しかったようです。
しかしこの絵本が子どもの心に何かを残したのは確かです。たとえ今は解釈がうまくできなくても、心の片隅に記憶として残り、成長したときに再び手に取って新たな感情や考えを抱く絵本になるかもしれません。それこそが、この絵本の持つ力だと思います。
大人でも解釈が分かれるほど深いテーマを持つ絵本ですから、子どもがすぐにその意味を理解できないのは当然のことです。しかし、幼いころに読んで何も感じなかったとしても、成長してから新たな視点で読み返し、何かを感じ取ったとしたら、それがその子にとっての「正解」と言えるでしょう。このように、時間をかけて心に染み込み、成長に寄り添う絵本として『悪い本』は特別な存在だと感じます。
潰された蟻の意味
物語が終わり、最後のページに潰れた蟻が一匹描かれています。この蟻の描写が何を意味しているのか、多くの読者が想像を掻き立てられます。最後から数ページ前には、女の子がぬいぐるみから逃げ惑うシーンがあり、その中で壊れて綿が飛び出した猫のぬいぐるみに蟻がたかっている様子が描かれています。この場面は、不快感と薄気味悪さを伴い、絵本全体の不穏な雰囲気を一層強調しています。
そして、最後の潰れた蟻の描写。まるで物語の中の蟻が現実に飛び出してきたような錯覚を与え、本で潰してしまったかのようなリアルさを感じさせます。この表現が、悪い本の呪いが現実世界にまで及んだのではないかと想像させ、一瞬心臓がドキッとするラストとなっています。
集られたぬいぐるみが「悪い本」の呪いを蟻にかけ、それが現実に入り込んでくるような描写は、絵本と現実の境界を曖昧にし、読者に強い余韻を残します。このラストシーンは、単なる物語の終結ではなく、読者に「悪い本」の恐怖がまだ続いているのではないかという感覚を植え付ける、秀逸で不気味な締めくくりです。
絵を担当した吉田さんのこだわりが詰まったラストとなっています。
この世で一番悪いこととは?
さて、この絵本が語る「この世で一番悪いこと」とは、一体何なのでしょうか。絵本の中でその答えは明示されておらず、上述したように、それを解読しようとするのは無粋だという考え方もあるかもしれません。しかし、私なりの解釈をお伝えします。
最初に思い浮かんだのは、「自分を傷つけることではないか?」という考えです。これはさまざまな宗教観や哲学の観点からもいえます。いつかかならず誰かを嫌いになる=いつかからなず自分自身を嫌いになるという感情が、結果として自己を傷つける行動へとつながる――そうした危険を暗示しているのではないかと考えました。「自分で自分を傷つけたくなったとき、この本をもう一度開けてほしい」というメッセージが込められているようにも感じられます。
また一方で、物語に登場する「待っているよ」というおどろおどろしい表現が、むしろ読者を「悪い側」に引き込ませないための警告のようにも思えます。「こんな怖い本、誰も開けたくない」と思わせることで、読者に自制心を働かせる意図があるのかもしれません。あえて他者を傷つける行為を恐ろしい存在として描くことで、善悪の選択を促し、「こっち側には来るな」と警鐘を鳴らしているのではないかとも解釈できます。
いずれにしても、『悪い本』は読者の年齢や経験によって無数の解釈を生み出す作品です。そして、絵本という形式でこのような多義性を実現したことに驚かされます。読むたびに新たな発見があり、個人的には、この曖昧さと解釈の自由さが非常に魅力的だと感じます。大人になっても手元に置いておきたい、大切な一冊です。
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【ネタバレ注意】怖すぎる「悪い本」を徹底解説!試し読み方法から考察までの総括
『悪い本』は、「怪談えほんシリーズ」の一作目として、宮部みゆきさんが描く禍々しい物語と吉田尚令さんの不気味で美しい絵が融合した、子ども向けの枠を超えた絵本です。物語の中で語られる「悪い心」の囁きや断定的な予言が、読者に心理的な恐怖を与え、内面を見つめ直すきっかけを作ります。
絵本全体を包み込むおどろおどろしい世界観は、どこか現実の不安とも重なり、「未知」への怖さを際立たせています。読む人の年齢や経験によって多様な解釈が生まれるため、親子での読書には慎重さが必要な一方、大人にとっては深いテーマを考える良いきっかけになる作品です。
『悪い本』は、単なるホラーを超えた心理的な余韻を残す特別な絵本です。子どもから大人まで、さまざまな視点で楽しむことができる、大切にしたい一冊です。
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