「もうじきたべられるぼく」は、ユニークな視点とテーマ性が話題を呼んでいる絵本で、食肉用の子牛が「食べられる運命」を知りながらも、その瞬間までをどう過ごすかが描かれています。
一般的な絵本とは異なる少し哲学的なアプローチが子供にも大人にも興味を引く一方で、その切ないテーマに賛否の声もあります。一部の読者は、食べ物の視点から命を見つめ直す内容に感動を覚えたとする一方、物語が持つ「悲しさ」や結末に戸惑いや違和感を抱くことも。また、子供にはやや難しいと感じる親もいるため、読み聞かせに工夫が必要かもしれません。
本記事では、嫌いと言われる理由も考慮しつつ、「もうじきたべられるぼく」の魅力や結末、各シーンの見どころを詳しくご紹介します。
この記事はこんな人にオススメ
- もうじきたべられるぼくのあらすじを知りたい人
- 対象年齢や登場人物が知りたい人
- もうじきたべられるぼくの結末が知りたい人
- 賛否両論の理由を知りたい人
- 試し読みできるか知りたい人
目次
もうじきたべられるぼくのあらすじや内容を紹介
『もうじきたべられるぼく』は、食育や親子愛をテーマにした絵本で、可愛らしい絵柄と哀愁が漂うストーリーで展開されます。
タイトルからも想像できるように、主人公の牛は「食べられる運命」にありながらも、それまでの時間をどう過ごすか?こうだったらよかったのになという空想を描きながら、最後にお母さんに会いたいと電車に乗ってお母さんのところへ向かいます。
この絵本は、命の大切さや食に対する感謝を感じさせる物語です。文章のテンポとシンプルな絵が子供に受け入れられやすく、非常に高い評価を得ています。
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絵本の対象年齢
「もうじきたべられるぼく」の対象年齢は5歳以上が目安とされています。
簡単な文章で綴られていますが、食べられる運命にある牛が主人公であること、ストーリーの内容がやや哲学的ことから、物語の内容を深く理解するには、小学校中学年位がおすすめかもしれません。
幼児や小学校低学年でも楽しめますが、テーマに潜む奥深さは、大人が一緒に読むことでさらに味わい深いものとなります。親子のコミュニケーションを広げる読み聞かせにも最適です。
もうじきたべられるぼくの見どころはどこ?
この絵本の見どころは、食べ物になる子牛の視点から描かれた斬新な視点です。
「もうじきたべられるぼく」では、食べられる運命にある子どもの牛が、自分の役割やその意味を考え、様々な思いを巡らせます。このユーモラスで切ない展開が、子供たちの想像力を刺激し、命の尊さや食べ物への感謝の気持ちを自然と教えてくれる要素となっています。
親子で食卓について話し合うきっかけにもなり、日々の「いただきます」の意味が深まる一冊です。
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もうじきたべられるぼくの結末どうなる?
タイトルの通り、"もうじきたべられる"という運命を背負った子牛は、電車に乗ってお母さんに会いに行くことを決意します。生まれた牧場を訪れると、そこには自分より小さな子牛と一緒に過ごす母親の姿が。母親の気持ちを思い、主人公は声をかけることもなく牧場をあとにします。
電車が牧場の横を通り過ぎるとき、母親が電車に乗る主人公を見つけ追い掛けます。二人はもう言葉を交わすことはできませんが、心は通じあったのでしょう。
電車の中で子牛は最後にこうつぶやきます。
せめて ぼくをたべた人が 自分のいのちを 大切にしてくれたら いいな
著者:はせがわゆうじ 「もうじきたべられるぼく」中央公論新社
「もうじきたべられるぼく」の結末は、想像以上に切なく、涙を浮かべる人も多いでしょう。食べられる運命にある子牛が、母親を思いながら運命を受け入れる描写は、読者にとっても考えさせられるラストとなっています。
結末を迎える瞬間は悲しくもありますが、その中に希望や感謝の感情も感じ取れるストーリー展開です。親子で読後にその意味を話し合うことで、さらなる理解が深まるでしょう。
【賛否両論】もうじきたべられるぼくが嫌いという意見
「もうじきたべられるぼく」は、新聞やSNSで絶賛されるほど高い評価を受けている一方で、「嫌い」と感じる方も少なくありません。
嫌い・怖いといったマイナスの感想を持った方は、主に下記のような理由が挙げられます。
もうじきたべられるぼくが嫌いな理由
- 内容が重く、子どもがトラウマを抱える可能性がある
- 現実はもっと残酷で、偽善的である
- 子牛が運命を淡々と受け入れることに対する違和感
小さな子供には少し重いテーマであり、悲しい結末が心に残るため、「怖い」「不快」と感じる子もいるかもしれません。物語がやや哲学的な内容を含んでいることもあり、単純に「楽しい」「面白い」とは感じにくいという意見もあります。
また、感受性豊かな子どもは、物語の中で子牛に共感してしまい、お肉自体を食べたくなくなる可能性があるという指摘もあります。
さらに、食肉になる牛の運命とファンタジー要素を組み合わせた内容に対して、「現実はもっと悲惨であり、残酷さが隠されている」として偽善的だと感じる方もいます。
特に、子牛が淡々と自分の運命を受け入れる姿に違和感を覚える読者もおり、現実とファンタジーの折り合いがつかないことが、物語への賛否につながっているようです。
もうじきたべられるぼくは悲しいお話なのか?
物語は、悲しく切ないテーマが流れています。主人公の子牛が、食べられる運命を知りながら、運命を受け入れてお母さんに会いに行く姿が描かれ、読み進めるほどに切なさがこみ上げてきます。日常で意識しづらい「命」について深く考えさせられます。
子供たちは物語の悲しさを通じて、普段何気なく食べているものが本来持つ「命」に気づくきっかけを得ることができます。このように、シンプルな絵本でありながらも、背景にある「命の循環」という普遍的なテーマに触れることができ、親子で語り合う良い機会になることもあります。
この「悲しさ」は、単なる寂しさではなく、命に対する敬意や感謝の気持ちを育むための重要な感情であり、この絵本を通じて自然に身につけられるように工夫されています。
学校の道徳の授業で取り上げられるケースも
読み手によって解釈が異なる絵本であり、子牛が可哀想で悲しいお話だと感じる人もいれば、最後にお母さんと心が通じ合ってよかったと感じる人、食物連鎖の意味を再確認する人までさまざまです。読み手によっていろいろな解釈ができるという点でも、教育現場で活用されているケースが増えているようです。
また、私たちが普段口にする食べ物にも命があり、役割があることを改めて教えてくれます。食べ物が食卓に届くまでの過程やそれが消費される運命について、普段考えることが少ないものですが、この絵本はその「当たり前」の感覚に一石を投じています。
道徳的な価値として、食べ物を粗末にせず感謝を持って食べることの重要性を感じる子どもも多いでしょう。子供たちが食べ物の命を考えることで、普段の食事や行動にも感謝の気持ちを持ち、命あるものすべてへの敬意を学ぶきっかけとなるかもしれません。
一方で、物語の結末が切なく、子供には少し難しいテーマであるかもしれませんが、大人と一緒に道徳的な意義を話し合いながら読むことで、色々な人がそれぞれ違う考えで物語を読んでいることを知るきっかけにも繋がり、絵本の持つ価値が最大限に生かされるでしょう。
サキ研究員
わが子は、小学3年生の「いのち」がテーマの授業参観で、この絵本を読んでいました。
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tiktokで300万回再生を突破!各種SNSや新聞でも話題
「もうじきたべられるぼく」は著者が10年以上前に描いた作品ですが、時を経てTikTokの読み聞かせ動画で300万回再生されたことから注目度が高まりました。想像以上の多くの反響が集まり、満を持して書籍化されたそうです。
ユーザーによる感想やリアクション動画も数々のSNSで紹介され、新聞でも紹介されたことで、子供のみならず、多くの世代で関心を集めています。
現在は「もうじきたべられるぼく」のテーマソングも誕生し、作詞:もりちよこさん・作編曲:柿島伸次さん、そしてシンガーソングライターのかっきーさんと令和の歌姫ことののちゃんが丁寧に歌唱されております。
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もうじきたべられるぼくは試し読みできる?
「もうじきたべられるぼく」を購入前に内容を少しでも知りたい方もいらっしゃいますよね。 Amazonや楽天では、「試し読み」まではできませんが、絵の雰囲気や読者の口コミを閲覧することができます。 合う合わないが大きく分かれる作品でもあるので、絵本の雰囲気やイラストのタッチをご覧になってください。
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もうじきたべられるぼくや他の絵本を無料で読めるサイトはある?
「もうじきたべられるぼく」を無料で楽しむ方法として、Amazonが提供している「Kindle Unlimited」がおすすめです。初回1ヶ月無料でもうじきたべられるぼくを含む500万冊以上が読み放題となっています。
Kindleタブレットを持っていなくても大丈夫。お手持ちのタブレットやスマートフォンにKindleのアプリをダウンロードすればいつでもどこでも絵本が楽しめます。
こんな人にオススメ!
- 外出時に絵本を持ち歩くのは重いな・・・
- 出先で動画を見せたくないな・・・
- 色々な絵本を読ませたいな・・・
絵本ってかさばるし買うと高い・・・
電子絵本なら色々な作品を楽しめますよ。
もちろん、初月の無料期間中に解約すれば、月額費用はかかりません。
物価上昇により紙の絵本の価格あがっています。「おばけのかわ」をむいたら等の話題本や昔話も読み放題となっておりますので、まだ試したことがないという方は、無料で登録してみる価値はありますよ。
※読み放題対象の本は随時変わっております。登録の前にご自分の読みたい絵本が対象か調べてからの登録をおすすめします。
はせがわゆうじさんの最新作「きっと いいこと まってるよ」が発売
作者はせがわゆうじさんの新しい絵本が2024年11月に発売されました。
こちらも動物が主人公で、自分へプレゼントしたくなる一冊になっているようです。はせがわゆうじさんが描く優しいストーリーを、ぜひ、チェックしてみてはいかがでしょうか。
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もうじきたべられるぼくの結末は?嫌いという人の理由の総括
「もうじきたべられるぼく」は、食べられる物をテーマにした少し重めのストーリーとやや哲学的な内容の作品です。食べられる物が持つ「命」とその役割を描くことで、子供にとって普段意識しない「食」や「命」の尊さに気づくきっかけになります。
賛否が分かれる理由としては、物語の悲しみや少し複雑なテーマがあり、一部の子供には「怖い」「不快」と感じられることがある点です。大人からは「現実の残酷さが隠されている」という指摘もありますが、絵本を通して親子で食や命について考え話し合うきっかけを作れるのも本作の魅力です。
この絵本は単なる楽しさだけでなく、感謝や思いやりといった深いテーマをやさしく教えてくれる作品です。家族で一緒に読み、会話を楽しみながら「食べること」について考える貴重な時間を作りたい方にはおすすめの一冊です。
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